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内部機能の障害

じん肺

障害の状態

じん肺とは、砂ぼこりや金属の粉などの粉塵を長期間にわたって大量に吸い込むことで、肺に線維性の病変が起こる疾患です。その多くは、鉱山や工場など閉鎖された空間で仕事をしている人発症するため、職業性疾患に分類されています。一般的に発症までに長い期間を要し、発症初期にはほとんど自覚症状がありません。吸入する粉じんの量にもよりますが、粉じん吸入から発症までは長期間を要します進行していくと、肺の線維化、気管支炎、気管支拡張などの呼吸器疾患を引き起こし、咳や呼吸困難、全身の倦怠感、体重減少などが見られるようになります。また、合併症を伴う場合が多いあります。主な合併症は、続発性気管支炎、続発性気胸、続発性気管支拡張症肺結核結核胸膜炎などです。

 現在では、粉じんなどが発生する職場で勤務する人をじん肺から守るために「じん肺法」、「労働安全衛生法」、「粉じん障害防止規則」などが制定されています。

障害年金認定基準

呼吸器疾患の障害については、次のとおり認定されます。

1 認定基準

障害の程度障害の状態
1級
  • 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級
  • 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級
  • 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

 呼吸器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績(胸部X線所見、動脈血ガス分析値等)、一般状態、治療及び病状の経過、年齢、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたり安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定することとされています。

 また、呼吸器疾患による障害の認定の対象は、そのほとんどが慢性呼吸不全によるも
のですが、特別な取扱いを要する呼吸器疾患として「じん肺」があげられています。

具体的な認定要領

 じん肺による障害の程度は、病状判定及び機能判定により認定されます。病状としては、胸部X線所見、呼吸不全の程度、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等による総合的な認定です。

 病状判定により各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

障害の程度障害の状態
1級
  • 胸部X線所見がじん肺法の分類の第4型であり、大陰影の大きさが1側の肺野の1/3以上のもので、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護を必要とするもの
2級
  • 胸部X線所見がじん肺法の分類の第4型であり、大陰影の大きさか1側の肺野の1/3以上のもので、かつ、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とするもの
3級
  • 胸部X線所見がじん肺法の分類の第3型のもので、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とするもの

 じん肺の機能判定による障害の程度は、次の「呼吸不全」の認定要領によって認
定することとされています。


呼吸不全の認定要領(抜粋)

 呼吸不全とは、原因のいかんを問わず、動脈血ガス分析値、特に動脈血o2分圧と動脈血CO,分圧が異常で、そのために生体が正常な機能を営み得なくなった状態をいいます。認定の対象となる病態は、主に慢性呼吸不全です。呼吸不全の主要症状としては、咳、疲、瑞鳴、胸痛、労作時の息切れ等の自覚症状、チアノーゼ、呼吸促迫、低酸素血症等の他覚所見があります。

 検査成績としては、動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率及び必要に応じて行う運動負荷肺機能検査等があります。

●動脈血ガス分析値及び予測肺活量1秒率の異常の程度(安静時)

A表 動脈血ガス分析

 区分検査項目単位軽度異常中等度異常高度異常
動脈血O₂分圧Torr70~6160~5655以下
動脈血CO₂分圧Torr46~5051~5960以下

(注)病状判定に際しては、動脈血O₂分圧値を重視する。


B表 予測肺活量1秒率

   検査項目単位軽度異常中等度異常高度異常
予測肺活量1秒率40~3130~2120以下

 

 呼吸不全による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりです。

一般状態区分表

区分                     一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの

軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの

例えば、軽い家事、事務など

歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

 

 呼吸不全による各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

障害の程度障害の状態
1級
  • 前記(4)のA表及びB表の検査成績が高度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級
  • 前記(4)のA表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもa
3級
  • 前記(4)のA表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

 なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するか、その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定することとされています。

 在宅酸素療法を施行中のものについては、原則として次により取り扱われます。

①常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定されます。なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されます。

②障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)です。

障害年金請求の注意点

障害年金の審査では「検査所見」「自覚症状」「他覚所見」の3つの観点と一般状態区分の組み合わせで認定が行われます。症状が重くなると、常時の在宅酸素療法に頼らなければならない場合もありますが、この場合は3級に認定されます。しかし、審査で重要視されるのは在宅酸素施行の有無ではありません。実際の検査成績、日常生活に受ける制限、咳や痰などの自覚症状、他覚所見など、あらゆる観点から障害の状態を見て判定しています。なので、在宅酸素を施行していなくても、動脈血液ガス分析等検査異常値など、一定の障害がある場合は3級に認定されますし、もっと病状が悪ければ2級や1級と認定されることもあります。その場合、検査成績が重要なポイントとなるので、検査時期による数値の変動が大きい場合には、いつ時点の診断書を提出すべきか熟考することも重要でしょう。呼吸器疾患の診断書については、記載内容が漏れていることもよく見受けられます。記載されるべき部分に抜けがないかをチェックすることも、正当な障害年金を受給するためには大切なポイントといえます。

 また、診断書とともに重要なのが「病歴状況申立書」です。だた単に発病から現在までの流れを記載するのではなく、治療方法や日常生活についての制限など、認定基準を意識した事項を丁寧に書いていきましょう。障害年金は書類審査です。「診断書」と「病歴状況申立書」の内容は、とても大切です。自分たちで記載できる「病歴状況申立書」は、状況がしっかりと伝わるように魂をこめて書きあげましょう。

            障害年金申請サポート(三重県津市) 脇 美由紀

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