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神経系の障害

ハンチントン病

障害の状態

ハンチントン病は遺伝性の神経変性疾患です。脳の特定の部分である大脳基底核や大脳皮質が萎縮してしまうために生じる疾患であり、CTMRI等の画像検査で診断ができます。最近、第4染色体に局在している遺伝子に異常が起こることが発症に関係することが明らかとなっています。

発病は、小児期から老齢まで様々ですが、30歳くらいの発症が多いようです。優性遺伝の病気なので両親のどちらかが同じ病気であることがほとんどです。

症状としては、細かい運動がしにくくなったり、顔をしかめたり、手先が勝手に動いてしまうような運動症状、落ち着かなくなったり、うつ状態などの精神症状・行動異常などで病気が始まることが多いようです。「神経質になった」とか「行儀が悪くなった」という風に、他人に見られることも少なくありません。
 運動症状の特徴は、字を書くなどの細かい動作が上手に出来なくなることから始まることが多いようです。また、同じ動作を続けることが難しくなるので,物を落としたり,転んだりする症状が出てきます。進行すると、すべての動作がしにくくなり、手伝いが必要となります。歩行が不安定になり、つまずきやすく、転びやすくなる、食事がむせるなどの症状も出てきます。
 また、自分の意志とは無関係に生ずる顔面・四肢のすばやい動きが多くみられます。手先が不規則に勝手に動く、首を動かす、顔をしかめる、舌打ち、などが目立つ症状で、舞踏運動と呼ばれます。舞踏運動のほかにも、自分の意思とは無関係に身体が動くような症状がみられる場合があります。
 精神症状の特徴は、計画して実行する能力や全体を把握する能力などが障害される傾向にあります。怒りっぽくなったり、異様に同じことを繰り返したりするなどの性格変化や行動変化が目立ちます。ふさぎ込みなどうつ症状が強いと自殺企図が見られることもありますが、人によって症状がかなり異なります。物忘れや記憶障害などの通常の認知症のような症状は目立ちません。

障害年金の認定基準

ハンチントン病は、運動症状と精神症状が見られることが多いので、両者の症状をもって、障害の認定が行われる場合が多いです。参考とする認定基準は下記のとおりです。

1.運動症状についての「肢体の機能の障害」の認定基準

障害の程度障害の状態
1級
  • 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級
  • 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級
  • 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定が行われます。

2.精神症状についての認定基準

障害の程度障害の状態
1級
  • 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
2級
  • 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
  1. 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
  2. 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
障害手当金
  • 認知障害のため、労働が制限を受けるものすもの

脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区分して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定することとされています。

等級判定ガイドライン

精神症状における障害認定基準に基づく障害の程度の認定については、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に定められています。

 ①「障害等級の目安」を参考としつつ、②「総合評価の際に考慮すべき要素の例」で例示する様々な要素を考慮したうえで、認定医が専門的な判断に基づき、総合的に判定することとされています。

①障害等級の目安

診断書の記載項目のうち、「日常生活能力の程度」の評価及び「日常生活能力の判定」の評価の平均を組み合わせたものが、どの障害等級に相当するかの目安を示したものです。日常生活能力とは、食事、清潔保持、金銭管理、買い物、対人関係、危機対応などを指します。

②総合評価の際に考慮すべき要素の例

診断書の記載項目(「日常生活能力の程度」及び「日常生活能力の判定」を除く。)を5つの分野(現在の病状又は状態、療養状況、生活環境、就労状況、その他)に区分し、分野ごとに総合評価の際に考慮することが妥当と考えられるものです。

等級判定ガイドライン(考慮すべき要素)の詳細

現在の病状・状態

  • 認定の対象となる複数の精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断されます。。
  • ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に制限が生じている場合は、それが考慮されます。

療養状況

  • 通院の状況(頻度、治療内容など)が考慮されます。薬物治療を行っている場合は、その目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)、服薬状況も考慮されます
  • 通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由や他の治療の有無及びその内容が考慮されます
  •  入院時の状況(入院期間、院内での病状の経過、入院の理由など)が考慮されます。 病棟内で、本人の安全確保などのために、常時個別の援助が継続して必要な場合は、1級の可能性が検討されます。
  • 在宅での療養状況が考慮されます。在宅で、家族や重度訪問介護等から常時援助を受けて療養している場合は、1級または2級の可能性が検討されます。 

生活環境

  • 家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無が考慮されます。 独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性が検討されます。
  • 入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況が考慮されます。
  • 独居の場合、その理由や独居になった時期が考慮されます。 

就労状況

  •  労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況が考慮されるとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力が判断されます。
  • 援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態が考慮されます。
  • 相当程度の援助を受けて就労している場合は、それが考慮されます。 就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性が検討されます。就労移行支援についても同様です。障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性が検討されます。
  • 就労の影響により、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況が考慮されます
  • 一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断されます。
  • 安定した就労ができているかが考慮されます。1年を超えて就労を継続できていたとしても、その間における就労の頻度や就労を継続するために受けている援助や配慮の状況も踏まえ、就労の実態が不安定な場合は、それが考慮されます。
  • 発病後も継続雇用されている場合は、従前の就労状況を参照しつつ、現在の仕事の内容や仕事場での援助の有無などの状況が考慮されます。
  • 精神障害による出勤状況への影響(頻回の欠勤・早退・遅刻など)が考慮されます。
  • 仕事場での臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られる場合は、それが考慮されます。 

その他

  • 「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」に齟齬があれば、それが考慮されます。
  • 「日常生活能力の判定」の平均が低い場合であっても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しく偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況が考慮されます。

 

障害年金請求の注意点

ハンチントン病は運動症状と精神症状が出現するため、それぞれの症状を把握し、主治医にきちんと説明をして、診断書にしっかり反映させることが大切です。特に、精神障害は、状態の重症度を客観的に示すことができないため、日常生活能力で判断されます。いかに日常生活に支障をきたしているかは1人ひとりの状況によって異なりますので、その点を主治医にしっかりと伝えましょう。そして、現状がしっかり反映された診断書や病歴申立書で請求に望むことが大切です。

 運動症状と精神症状があれば、併合認定の対象になります。過去の事例で、運動症状(肢体障害)が2級該当、精神症状(精神障害)が2級該当と認定されて、足し算で1級の障害年金を受給したケースがあります。

            障害年金申請サポート(三重県津市) 脇 美由紀

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 2018年1月 刊行      
2019年6月改定版(3刷)刊行
病気やケガで働けなくなったときに使える制度について。障害年金を含め、主に「お金」に関することについて執筆しています。          

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