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心臓は収縮・拡張を交互に繰り返すことで全身に血液を送り届けるポンプとしての役割を果たしています。心筋症は、心筋そのものの異常により、心臓の機能異常をきたす病気です。そのうち、肥大型心筋症は、心肥大をおこす原因となる高血圧や弁膜症などの病気がないにもかかわらず、心筋の肥大(通常左室、ときに右室の肥大)がおこる病気です。左室心筋の異常な肥大に伴って生じる、左室の拡張機能(左房から左室へ血液を受け入れる働き)の障害を主とします。
心肥大は、通常その分布が不均一であることが特徴的で、通常、左室の拡大はなく、左室収縮能は正常か過大であり、左室拡張能低下が肥大型心筋症の基本病態であり、主に下記の4つに分類されます。
①左室流出路閉塞性肥大型心筋症:心室中隔基部の肥大により、左室流出路の狭窄を呈するもの
②心室中部閉塞性肥大型心筋症:肥大に伴う心室中部での内腔狭窄があるもの
③心尖部肥大型心筋症:心肥大が心尖部に限局するもの
④拡張相肥大型心筋症:病気の進行により、肥大した心筋壁厚が減少して薄くなり心室内腔の拡大を伴うもの
このうち、流出路肥大型心筋症は、全体の約25%を占めると言われています。
症状としては、大きく分けて胸部症状と脳症状があります。胸部症状としては、胸痛、呼吸困難、動悸などが挙げられ、脳症状としては立ちくらみ、眼前暗黒感、失神などで、肥大した心室や不整脈の影響でこれらの症状が出ます。急に立ち上がったとき、飲酒時、急な気温の変化などで出やすくなります。無症状のこともありますが、突然死の原因にもなり得るため、肥大型心筋症を指摘されている場合は慎重な経過観察が必要です。
心疾患による障害については、次のとおり認定されます。
1 認定基準
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 |
|
2級 |
|
3級 |
|
心疾患による障害の程度は、呼吸困難、心悸冗進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、治療及び病状の経過等により、総合的に認定するものとされています。
当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものされています。
心疾患による障害は、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患に区分されています。
心疾患の障害等級の認定は、最終的には心臓機能が慢性的に障害された慢性心不全の状態を評価することとされています。慢性心不全とは、心臓のポンプ機能の障害により、体の末梢組織への血液供給が不十分となった状態を意味し、一般的には左心室系の機能障害が主体をなしますが、右心室系の障害も考慮に入れる必要があります。左心室系の障害により、動惇や息切れ、肺うっ血による呼吸困難、咳・疲、チアノーゼなどが、右心室系の障害により、全身倦怠感や浮腫、尿量減少、頚静脈怒張などの症状が出現します。
心疾患の主要症状としては、胸痛、動悸、呼吸困難、失神等の自覚症状、浮腫、チアノーゼ等の他覚所見があります。臨床所見には、自覚症状(心不全に基づく)と他覚所見がありますが、後者は医師の診察により得られた客観的症状なので、常に自覚症状と連動しているか否かに留意する必要があります。重症度は、心電図、心エコー図・カテーテル検査、動脈血ガス分析値も参考とされています。
検査成績としては、血液検査(BNP値)、心電図、心エコー図、胸部X線、X線CT、MRI等、核医学検査、循環動態検査、心カテーテル検査(心カテーテル法、心血管造影法、冠動脈造影法等)等があります。
心血管疾患が重複している場合には、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定されます。
▮心疾患の検査での異常検査所見を一部示すと、次のとおりです。
区分 | 異常検査所見 |
A | 安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの |
B | 負荷心電図(6Mets未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの |
C | 胸部X線上で心胸郭係数60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質悩肺水腫のあるもの |
D | 心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの |
E | 心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの |
F | 左室駆出率(EF)40%以下のもの |
G | BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が200pg/ml相当を超えるもの |
H | 重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に50%以上の狭窄、あるいは、3本の主要冠動脈に75%以上の狭窄を認めるもの |
I | 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの |
▮心疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりです。
一般状態区分表
区 分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
(参考)上記区分を身体活動能力にあてはめると概ね次のとおりとなります。
区分 | 身体活動能力 |
ア | 6Mets以上 |
イ | 4Mets以上6Mets未満 |
ウ | 3Mets以上4Mets未満 |
エ | 2Mets以上3Mets未満 |
オ | 2Mets未満 |
(注)Metsとは、代謝当量をいい、安静時の酸素摂取量(3.5ral/kg体重/分)をIMets
として活動時の酸素摂取量が安静時の何倍かを示すものである。
▮心筋疾患による障害の認定基準は下記のとおりです。
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 |
|
2級 |
|
3級 |
|
(注)肥大型心筋症は、心室の収縮は良好に保たれるが、心筋肥大による心室拡張機能障害や左室流出路狭窄に伴う左室流出路圧較差などが病態の基本となっています。したがってEF値が障害認定にあたり、参考とならないことが多く、臨床所見や心電図所見、胸部x線検査、心臓エコー検査所見なども参考として総合的に障害等級を判断されることとなります。
障害年金の審査では「検査所見」「自覚症状」「他覚所見」の3つの観点と一般状態区分の組み合わせで認定が行われます。
心筋症の検査には下記のもの等があり、「検査所見」が診断書に記載されることになります。
1。心エコー検査
心エコー検査では、心臓の運動異常や形態(肥大・拡大・弁の状態)と、左心系の左室駆出率(LVEF)を確認します。左室駆出率(LVEF)とは、左室の機能を示す指標です。一般的に左室駆出率の基準値は60%前後で、60%以下は収縮不全とみなします。障害年金の異常検査所見としては40%以下とされています。
2。胸部エックス線検査
胸部エックス線検査により、うっ血の程度、胸水貯留の程度、心胸郭比(CTR)を確認します。心胸郭比(CTR)とは、胸郭横径に対する心横径の比率で表します。通常は50%以下が正常です。
3。心電図
心電図により極端な頻脈や徐脈、その他、不整脈の有無を確認します。
4。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の濃度をチェックすることで、心不全の重症度がわかります。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)とは、心臓に負担がかかると血液中に分泌されるホルモンです。値が高い程、心臓に負荷がかかっている状態と言えます。
これらの検査項目について診断書に記入漏れがないか、チェックしましょう。
次に自覚症状・他覚所見も重要です。次の自覚症状があれば主治医に伝えましょう。
① 動悸 ② 呼吸困難 ③ 息切れ ④ 胸痛 ⑤ 咳 ⑥ 痰 ⑦ 失神
医師の記入ミスがたまにみられる部分ですので、こちらも申請前にチェックしておく必要があります。
なお、心筋症で、ペースメーカー、CRT、CRT―Dを移植されている方は、診断書裏面にこれらの機器の装着日が記入されているかについてもチェックしましょう。
障害年金申請サポート(三重県津市) 脇 美由紀
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