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心臓ペースメーカーでの障害年金請求のポイント

目次

  • ペースメーカーとは・障害の状態
  • 障害年金を請求するときの基準
  • 日常生活における動作と身体機能の関連
  • 障害が複数あるとき
  • 障害年金請求時の注意点
  • 障害認定日のポイント
  • 障害年金を受給した事例

ペースメーカーとは・障害の状態

心臓ペースメーカーは、不整脈(脈が遅くなったり、乱れたりする状態)によって心臓が十分な血液を送り出せなくなったときに、電気刺激を送って心臓の動きを補う医療機器です。房室ブロックや洞不全症候群などが原因で植込み手術を受けられる方が多く、手術後は日常生活を送れるようになる方がほとんどです。

そのため、周囲から見ると「もう治った」「元気そうに見える」と思われがちですが、ペースメーカーはあくまで心臓の働きを補助する機器であり、根本的な心臓の機能低下が解消されたわけではありません。動悸・息切れ・めまい・疲労感などの症状が残る方も多く、装着後も定期的な通院・機器のチェックが必要になります。


障害年金を請求するときの基準

心疾患による障害年金の等級は、心臓の機能低下の程度や日常生活・労働への支障の度合いによって判断されます。ペースメーカーを装着している場合は、装着していること自体が認定の基準の一つとなっており、原則として3級以上に認定される取り扱いとなっています(本人の自覚症状や検査結果によっては、さらに上位等級となる場合もあります)。

等級の詳しい判断基準については、以下の認定基準ページをご参照ください。

※心疾患による障害の認定基準ページ


日常生活における動作と身体機能の関連

ペースメーカーを装着していても、階段の昇り降りや重い荷物を持つ、長時間の立ち仕事など、心臓に負担のかかる動作で息切れや動悸を感じやすくなることがあります。また、電磁波の影響を避けるため、日常生活の中で使用する家電や機器に注意が必要な場合もあります。

「装着後は普通に生活できているから対象外だろう」と思われる方も多いのですが、実際には疲れやすさから就労時間を短縮している、家事に人の手を借りている、といった状態も、日常生活能力の判断において考慮される要素になります。就労していることが、そのまま障害年金の対象外を意味するわけではありません。


障害が複数あるとき

ペースメーカーによる障害以外に、糖尿病や腎疾患、肢体の障害など他の傷病を併せてお持ちの場合は、それぞれの障害の程度を合わせて評価する「併合認定」という仕組みがあります。単独では基準に満たない場合でも、複数の障害を合わせることで、より上位の等級として認定されることがあります。


障害年金請求時の注意点

  • 初診日の証明が重要です。不整脈等の自覚症状で最初に受診した医療機関が、ペースメーカー植込みを行った医療機関と異なる場合、初診日の医療機関でのカルテ確認が必要になります。
  • 手術を受けた病院とは別に、その前段階で不整脈等の診断・治療を受けていたケースが多いため、経過を整理してから請求の準備を進めることが大切です。
  • 症状が落ち着いていても、診断書には日常生活上の制限(疲れやすさ、動悸、息切れの頻度など)を具体的に医師に伝え、正確に記載してもらうことが重要です。
  • ペースメーカーを装着すると、身体障害者手帳では1級と認定されることが多いため、「障害年金も1級になるはず」と考える方が少なくありません。しかし、身体障害者手帳と障害年金は別の制度であり、認定の基準も判定機関も異なります。ペースメーカー装着の場合、障害年金では原則3級として認定される取り扱いとなっており、手帳の等級とは一致しないことをご理解いただく必要があります。

障害認定日のポイント

心臓ペースメーカーを装着した方については、認定日に特例が設けられています。ただし、この特例が適用されるのは初診日から1年6ヶ月以内にペースメーカーを装着した場合に限られます。この条件を満たす場合、通常の「初診日から1年6ヶ月経過した日」ではなく、装着した日が障害認定日となります。

一方で、初診日から1年6ヶ月を過ぎてから装着した場合は、この特例は使えず、原則どおり初診日から1年6ヶ月経過した日が障害認定日となります。ご自身のケースがどちらに当てはまるか、初診日と装着日の間隔を確認することが最初のポイントになります。手術日や装着日を証明できる資料(診断書)が必要です。

 


障害年金を受給した事例

※本事例は、プライバシー保護のため一部の設定を変更して紹介しています。

事例1:50代女性

  • 傷病名:不整脈(ペースメーカー装着)
  • 状況:未成年の頃に心臓の手術を受けましたが、その後は症状が落ち着き、成人するまで通常の生活を送っていました。成人後になって再び心臓の症状が現れ、ペースメーカーの装着に至りました。
  • 障害の状態:不整脈による心臓機能の低下(ペースメーカーで機能を補っている状態)
  • 結果(等級):未成年時の手術を初診日とすると3級の障害年金は受給できない可能性がありましたが、未成年時の手術後から再び症状が現れるまでの間、治療を要さず通常の生活を送っていたことを丁寧に整理して説明し、「社会的治癒」の考え方を用いて、症状が再び現れた時点を初診日として認めてもらうことができました。
  • 請求方法:本来請求(社会的治癒の主張により初診日を再設定して請求)

事例2:40代男性

  • 傷病名:不整脈(ペースメーカー装着)
  • 状況:ペースメーカー装着後も継続して就労しており、当初は障害年金の対象になるとは考えていませんでした。装着から5年以上が経過した後、知人から制度について聞き、ご相談にいらっしゃいました。
  • 障害の状態:不整脈による心臓機能の低下(ペースメーカーで機能を補っている状態)
  • 結果(等級):3級。遡及請求により、装着日にさかのぼって5年分の障害年金を受給することができました。
  • 請求方法:遡及請求。初診日の候補となる複数の受診歴をすべて洗い出し、それぞれの経緯を整理したうえで、実質的に治療が開始された日を初診日として申し立てました。

 


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